卒業生

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フルタハナコさん

映像学科2001年卒業

キャラクターデザイナー ※

キャラクターデザイナーやイラストレーター、漫画家として活躍するフルタハナコさんにインタビューを行いました。聞き手は、フルタさんの恩師であり公私ともに親交の深い黒坂圭太先生(本学教授)です。学生時代の経験や現在のお仕事についてお話して頂きました。

― まずはフルタさんの学生時代の話から聞きましょうか。

黒坂先生のアニメーションの授業が、私にとって衝撃的でした。「この先生とは仲良くなっておかないと、ムサビに入った意味がないかもしれない」と勘が働いて、確か一回目の授業が終わってからお話を聞きに行ったんです。そのときに「何かあったら手伝います」というようなことを話したと思います。
それから学年が上がるに連れて、授業以外のお付き合いも多くなりましたね。例えば、先生の仕事を手伝ったりしてました。一緒に作業をしているとどっちが先生だか分からなくなることがありました。そこでは先生と学生という立場は関係なくて、むしろ逆転することもあるくらいでした。

― 先生は与える側で学生は教わる側、高校までの当然の関係がここでは当たり前ではないし、コミュニケーション次第で関係は広げられる。そんな雰囲気を持っているところが、美術大学の魅力であると言えるかもしれませんね。

入学して実感したのは、良くも悪くも「先生が先生らしくない」ところです。後になって、それは良いことだと気付くのですが、はじめは「この人たち教える気がない!」って腹をたてていました。でも、待ってるだけじゃダメなんですね。知りたいことは積極的に聞かないといけない。それまでの大人像も崩れたし、ムサビに行っていろんな常識が覆されたんです。意識改革が必要でした。

― 高校までの授業のように、必ずしもひとつの「正解」がある訳ではないので新入生は特に戸惑うかもしれませんね。

そうですね、人と違うことをすればする程正しいんじゃないかって思ったこともありました。ムサビって個性の強い先生も沢山いるし、先生の好き嫌いも、こっちの好き嫌いもありますよね。同じことを学ぶにしても、出会う時期によって合う合わないがあると思うんです。だからすぐに諦めないでほしいですね。タイミングや相性が悪いだけで、他の先生から学べるかもしれないので。

― 学生時代の経験でいまのお仕事に役立ったことは何ですか?

一人で制作することを何度も積み重ねたことでしょうか。私はアニメーション作品を作っていたのですが、出来の良し悪しだけではなく、作りあげることが大事だと思います。その人のタイプによると思うんですが、作る前にいろいろな作品を見たほうがいいかなって思います。何も知らないで作り始めると行き詰まりそうですよね。

― 自分の個性に任せて制作をしていくことは純粋で良い気がするんですが、大学入学時の個性って、それまでの習慣から生まれた癖のようなものだと思うんです。大学四年間をその癖を磨くことだけに終始するのはもったいない。

少しずつ技術的にステップアップして、学生時代の四年間で五つの作品を作りました。その中でも特に、作る課程の経験が良かったですね、だんだん自分を客観的に見ることができて、見てくれる人のことを考えるようになってきました。私も苦手なんですが、美大生の永遠の課題ってコミュニケーションだと思うんです。映像って一番見るのが面倒なメディアじゃないですか。大学には作品を見てくれる友人や先生がいますが、社会に出ると真剣に見てくれる人と出会うことが難しいですから。仕事では、鑑賞者が作る人とは限らないので、見ることが好きな人や、画を求めている人など作品を作る立場ではない方に対してどうコミュニケーションをとるかが重要になります。

― 最後に、今後の豊富を聞かせてください。

次のステップとして考えているのが、自分の作ったキャラクターが商品化されて、皆さんの手元に届くことです。商品を手に取った人の心をほっこりさせることが出来たらと考えています。でもその壁が相当高くて、商品化の難しさを実感しているところです。私の場合、きっかけはダイエット本かもしれないけど、仕事として依頼されたキャラクターであれ、自分の作品であれ、作る課程では等しく自分の愛しいキャラクターなんですね。
本で見るだけではなくて手に取ってもらえるもの、例えばぬいぐるみになって手で触れ、抱きしめられるものにしたいです。いままで映像や本など、直接キャラクターに触れないものばかり作ってきたので、手触りのあるものに興味があるのかもしれません。好きなキャラクターとはいつも一緒に居たいですからね。

01平野太呂|ファトグラファー‘97卒
02阿由葉聡子|(株)テレビマンユニオン‘05卒
03新井風愉|映像ディレクター‘02卒
04橋本典久|メディアアーティスト‘98卒
05DJぷりぷり|イベントオーガナイザー‘10卒
06フルタハナコ|キャラクターデザイナー‘01卒
07竹内泰人|映像作家‘09院卒
08塚根潤|漫画家‘04卒

卒業後ゲーム会社に就職し、ゲームソフト開発に関わる。(グラフィックを担当)現在、フリーランスのキャラクター作家・イラストレーターとして活躍している。主な作品に「朝バナナダイエット」イメージキャラクター「朝バナ子ちゃん」、ゆるっと癒される植物キャラ「へちま堂」などがある。※
へちま堂公式サイト:http://www.hechima-dou.com
https://twitter.com/furuta_hanako

画像左から
書籍「グラム式ダイエット」、書籍「夜トマトダイエット」、書籍「朝バナナダイエット」(全てぶんか社刊)キャラクター・ロゴデザイン・イラストを担当

※2009年映像学科研究室パンフレット
『卒業生インタビュー』より転載
肩書き、所属等は掲載当時のまま