卒業生

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平野太呂さん

映像学科1997年卒業

フリーランスファトグラファー
ギャラリーディレクター ※

― 平野さんにまず伺いたいのは、映像学科に入学してから、どういう経緯で現在にいたっているのかといったところなんですが。

僕は高校3年の時に写真に興味を持って、写真がやりたいと思って映像学科にきたんですよ。だから、1、2年生の頃っていろいろな授業をやるじゃないですか。その中で絵画とかやってみて、やっぱり自分は絵がうまくないんだなって思ったんですよ。
映像学科はデッサンの試験がなく入れるじゃないですか、だから受けたっていうのもあるし、一浪して入ったんだけど、普通の大学を4、5コ受けて、美術大学はここだけだったんですよ。だからやっぱり絵はヘタだったし、絵がうまい人には憧れましたね。
ビデオとかも、このデッキとデッキをつなげて配線するみたいなものも、いまひとつできなくて…。コンピュータの授業なんかは今みたいにMacとかでもなかったんで、チンプンカンプンだった。そうするとやっぱり写真がやりたくて来たし、写真やるのが良いのかなと。もちろんいろいろやるのは面白かったですけどね。

― その頃、卒業後の将来像みたいなものは想像してたりしたんですか?

在学時は将来像のことなんて、なにも考えてなかったですね。
なんとかなっていくんだろうなーって感じで。まわりのコンピュータができる人なんかは、ゲーム会社に就職した人が多かった時期だったんで、「ゲーム会社決まったよ」とかって聞くんだけど。自分は自分で個人のできる範囲でやっていくんだろうなーと漠然と思ってたんで…。就職活動は一切してなかったですね。

― 卒業してすぐはどうしてたんですか。

大学終わりましたって時には何もなくて、あーってなって。3ヶ月くらいフリーターやってました。でも、写真を撮ってお金を貰う仕事がしたいとは思ってたんで、大学のときしてた勉強だけじゃ足りないんだと思って、スタジオに入ったんですよ。入ったら大学の時写真を撮っている人たちと、やってることは同じでも考え方なんかが全然違うくて、やっぱり現場でそういうプロとしての知識だとか技術なんかを3年間アシスタントをやって学びました。中には大学の経験とかだけで作家になれる人もいるのかもあしれないけど、自分の場合は違ったんで、大学で学んだことと、現場で学べたこととどっちもあって良かったなと思ってますけどね。

― 平野さんはギャラリーもやられてるということもあって、人とのつながりとか、そういうことは学生時代から大事にしてたんですか?

いやもう全然そういうタイプじゃないですね。ムサビで知り合って朝まで飲んじゃうみたいな感じじゃ全然なくて。人付き合いとかもへたくそだから、つきあい悪いと思いますよ。僕。ただ、つきあうと長いっていう。友達の輪がぶわーっと広がっていく感じじゃなくて、付き合いは狭いんですよ。
東京出身というのもあるのかな。いままでの友達がこっちにいるから、その人たちとも会うし。大学のなかで気の合いそうな人とも会うし、芸術祭で面白いバンドやるってなったら、地元の友達を連れていくみたいな。こっちの友達と、大学の友達で気の合いそうなのを引き合わせたりね。そういうことは比較的してたのかもしれないですね。自然おですけど。

― 大学時代振り返って、こうしとけば良かった、みたいなことってありますか?

もっと広く付き合ってれば良かった。もっとバカやっとけば良かったかな。あと3年くらい前に芸術祭行って、施設があるのに使いきってない人が多いなと思いましたね。写真のプリントするにも、機材も時間もお金も学校出ちゃったらホントないですからね。もっとつかえるところはいっぱい利用しとけばよかったな。とは思います。

― 学生時代の暗室ってちょっと特殊な空間ですよね。学年問わずみんな写真を焼いてて、作品並べたりするのを見てたり…。

外で使ったりするとたいてい一人だし。大学のときは自分にはまったくわかんないみたいな作品をとなりで先輩が焼いてたりして。面白かったですね。

― 昨年写真集を出したことも含めて、ここまでの満足っていうのはありますか?

全然まだまだだなーと、思ってますけどね。あの本に関しては良いんだけど、自分の写真人生のなかで、って考えると、まだまだやれることはあるだろうし、考慮すべきこともあるし、達成感とか満足したとかそういうのはないですよね。

― 今後の展望を教えてください。

それほどくっきりしたものはなくて。その日をくらしていくということもあるんで、お金は稼がなきゃいけないから。写真集みたいなものって、一人で考えてもできることじゃないんで、出してくれる出版社がいてくれないといけないし、僕の作品をいいねっていってくれる人が一人でもいなきゃいけないんで、良いとおもったらものができたら見せにいかなきゃいけないとも思ってます。
取り敢えず今度、サケロックっていうバンドの星野くんの弾き語りとコラボレーションで、CDと写真集を来年の1月に出したいねっていってるんですけどね。自分だけの表現としてはそれが目標で、あとは日々のカメラマンとしての仕事をなるべく楽しくやっていくっていうのが今後の展望ですね。

2006.06.01 『NO.12 GALLERY』にて

01平野太呂|ファトグラファー‘97卒
02阿由葉聡子|(株)テレビマンユニオン‘05卒
03新井風愉|映像ディレクター‘02卒
04橋本典久|メディアアーティスト‘98卒
05DJぷりぷり|イベントオーガナイザー‘10卒
06フルタハナコ|キャラクターデザイナー‘01卒
07竹内泰人|映像作家‘09院卒
08塚根潤|漫画家‘04卒

大学卒業後、スタジオのアシスタントとして3年間勤務した後独立、フリーランスとして雑誌の仕事や、洋服のカタログ、ミュージシャンの宣材写真など、カメラマンとして仕事をしながら、昨年リトルモアから出版された写真集「POOL」など作家としての活動も行っている。 ※
http://tarohirano.com

※2006年映像学科研究室パンフレット
『卒業後までイメージする』より転載
肩書き、所属等は掲載当時のまま